「アリエリー教授の「行動経済学」入門 お金篇」ダン・アリエリー&ジェフ・クライスラー
こんにちは、ゆうせいです!
今日はおなじみダン・アリエリーさんのもう一つの作品を紹介したいと思います。
ただその前に、この記事のタイトルで何か気づきませんか?
ジェフ・クライスラーという人が共同著者としてこの本に携わっているんです。
この人は弁護士を経てお金と政治を扱うコメディアンや作家として活躍するという物凄い経歴の持ち主で、その人も物凄くこの本の独自性を高めているので期待してください。
まとめ
この本は過去のダン・アリエリーが書いてきた物とは決定的に違う点が一つあります。
この本では各章の始めに架空の人物のちょっとしたエピソードを入れて、そこで発生していた心理効果を効果を解説するという手法が取られていました。
せっかくなので一つ要約して紹介しようと思います。
あるリゾート地には無関係の新婚の夫婦二組がいました。
片方はとても仲睦まじい様子で、もう片方は険悪な雰囲気に陥ってしまっていました。
一体何がこの二組の仲を決定的に分けてしまったのか。
それは、旅行の為に申し込んだパッケージの違いです。
仲睦まじかった夫婦は事前にそのリゾート地でかかる費用を全て支払う前払い方式で申し込み、険悪な雰囲気の新婚夫婦は何かをする度にお金がかかるパッケージに申し込みました。
恐らく最終的に支払った金額でいうと毎回お金を節約しようとした険悪な夫婦の方が少ないと思いますが、彼らは人が「出費の痛み」を感じる事を忘れています。
レストランに入る度に財布とにらめっこする必要のあるこの夫婦間でお金に関する喧嘩が起きてしまうのも仕方ありません。
この新婚旅行では、最初に出費の痛みを感じて後は楽しむだけの仲睦まじい夫婦の方が賢かったのです。
時には敢えて沢山出費の痛みを感じるように工夫して節約し、またイベントなどの時には敢えて出費の痛みから逃げてお金の呪縛から逃れた幸せな時間を楽しめる様工夫して、出費の痛みと上手く付き合っていきましょう。
という感じでエピソードと解説、またそこから学べる教訓などが付いていました。
感想
この本は物語が沢山入っているのでどんな人でも物凄く楽しみながら読む事が出来ると思います。
中には身に覚えのある行動を取る人物が出てきて「あ、あんなバイアスが働いて自分はあんな行動をとってしまったんだ」と気付く体験もできて良かったです。
コメディアン兼作家の人が関わっているだけあってそのエピソード一つ一つに笑いどころが散りばめられており、全く飽きずに読み進める事が出来ました。
ダン・アリエリーの著書はどれもとても面白いし読みやすいのでどれもオススメしたいのですが、もしあまり実用書を読んでこなかったという人がいれば紹介するのはこの本になるのかなと思いました。
それくらい物語と解説のバランスが良く、尚且つ沢山の心理効果を知る事が出来たので良かったです。