「ずる:嘘とごまかしの行動経済学」ダン・アリエリー
こんにちは、ゆうせいです!
今日はおなじみダン・アリエリーによる「ずる:嘘とごまかしの行動経済学」という本について話します!
個人的に興味がある分野である行動経済学についての本なのでとても面白く、サクサク読み終える事が出来ました。
内容のまとめ
この本はタイトルにもある通り「ずる」、つまり「不正」について行動経済学的な視点から分析し、どの様な取り組みが最も不正を減らす効果が高いのかを模索する内容でした。
人が不正をしてしまう要因についての作者の考察を紹介します。
作者は「ずるをして自分の利益を最大化したい自分」と「正直な人間でありたい自分」の二つの自分を誰しも持っていると語っていました。
不正をするチャンスが目の前に転がっている時、人は自分の認知的柔軟性を活用して軽い不正を行いながらも自分が正直な人間であるとその想像力を駆使して認識する事が出来ます。
自分の不正行為を正当化する事で、人はずるをしてしまうと作者は説明しました。
この仮説を裏付ける数々の実験に付随して、疲れている時の自制心やグループで行う不正行為についても解説されていました。
また、「無意識に自分が新しくかった高級な医療機器を患者に薦めてしまう医者」の話など様々なエピソードも入っており、読者を飽きさせない工夫が凝らされています。
感想
様々な実験やエピソードを紹介しながら人が不正をしてしまう要因について書いてある内容は学べるだけでなく単純に読み物としてもとても面白かったです。
ガッツリ心当たりがある不正を行なってしまう要因についての考察などを通して、自分の行動を見返そうという気にもなり、とても興味深い内容でした。
この本で一番好きな箇所
この「ずる:嘘とごまかしの行動」で僕は不正行為を行なって自分すら騙してしまうという実験の章が読んでいて一番面白かったです。
実験の概要を説明します。
沢山の学生にパズルの様なテストを受けさせるのですが、学生群Aにはテスト用紙の他に丸付けをそれぞれさせる為に採点時以外見るなと強調した上で解答の紙を一緒に渡し、もう片方の学生群Bには通常通りテストを受けてもらい実験者が採点を行います。
それぞれの成績の平均を比較してみると、学生群Aの方が数点高く、解答を成績を上げるためにも使われているのが分かります。
面白いのはここからで、その後同じ様なテストを受けたと想定して点数を予想してみると学生群Aの方が学生群Bより高く予想しているのです。
これに金銭などを絡めてみても同じ結果が出て、不正をしたにも関わらず自分の未来の成績を過大評価してしまう学生が沢山いる事が証明されました。
どんな人にオススメ?
この本はとても面白いとは思うのですが、高校生の視点から実生活に活かせるかというとそうでもないかなと思いました。
ただ、例えば職場からペンやコピー用紙が誰かに持ち替えられてしまうなどの小さな不正行為に悩まされている方にはうってつけの本です。
また、行動経済学や心理学、人の行動原理について興味関心がある方に物凄くオススメしたいです。
因みに春休みがようやく終わり、明日からDPが始まるのでネタ切れから解放されました!
ネタがある嬉しさと授業が始まる悲しさが同時込み上げてきてよくわかんない感情です!