「不合理だからうまくいく」ダン・アリエリー
こんにちは、ゆうせいです!
今日は前回書いた本を紹介する記事と同じ作者の本について話したいと思います。
今回は行動経済学の説明を前回すませちゃったので実験内容を紹介したいと思います。
内容+感想
前回紹介した「予想通りに不合理」は人間の不合理性を紹介する、言うなれば行動経済学入門書みたいな側面がありました。
勿論「不合理だからうまくいく」も何も知らない状態で読んでも大いに楽しめますが、前著を読んでいるとより話の内容が入ってくるかもしれないです。
この本は人間の不合理な行動をどう活用したらプラスに働くかに注目した内容が多く入っておりまたやっぱり実生活に活かせる内容がとても多かったと感じました。
また、大火傷を負って壮絶な青年期を過ごした作者が個人的な体験を詳しく語ってくれており、彼の行動を左右した要因を行動経済学的な観点から分析しつつなぜこの学問に興味を持ったのかを知るのはとても興味深かったです。
個人的な好みの話だと、僕は「予想通りに不合理」より「不合理だからうまくいく」の方が好きでした。
本作は実験内容に加えて作者本人の過去の話だけでなくとても笑える日常的なエピソードもかなり入っていて、より紹介されている心理効果を身近に感じやすくなっていました。
それが読者に淡々と、単調に読み進めさせるのではなく楽しませながらも学びのある読書体験にさせてくれたのかなと思います。
実験の紹介
この本も前作と同様に紹介されている実験と心理的なバイアスの数々がとても面白く、全部話したいのですが流石に自重しておきます笑
ただ、折角なので僕が一番面白いと感じた実験と一番実生活に活かせそうだなと思った実験を紹介したいと思います。
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頑張って選んできたので軽く紹介致します。
まず面白かった実験は注意を向ける対象への解像度の違いが僕達の感情に与える影響についての章です。
この章は最初にアメリカでとても話題になった井戸にハマった赤ちゃんや遭難した飼い犬にとんでもない量の寄付金が集まった事に対して、とんでもない数の人が毎年亡くなってしまうマラリアの研究金には寄付金があまり集まらない対比を示し、解説が行われました。
これは「顔のある犠牲者効果」というもので、この章内で紹介された実験では実験協力者にお金を渡し、そこからマラリアに苦労している人の数など統計的なデータを見せていくら寄付するかを問うパターンAと貧困に苦しんでいる少女ロキアの写真や生活の様子などを教えていくら寄付するかを問うパターンBを比べました。
その結果、パターンBに対する平均寄付額が圧倒的に多く、いかに人が顔が見える相手に共感や同情心などの感情を抱きやすく、規模に関わらず顔が見えなければ余り感情が動かされないという事がわかったのです。
他の要因が実験結果に影響を与えていない事を確認する為に行った別パターンの実験などの説明は長くなるので省きます。
役に立つ実験についても詳しく話したいのですが、文字数があれなので教訓と一緒に軽く触れる程度に止めておこうと思います。
この本の章の一つで、人は過去の自分の行動を信頼し無意識に同じ事を行おうとする習性の存在が証明され、また、感情的になっている時、報復行動はより行われやすくなるということを証明する実験も紹介されました。
人は、一度感情に任せて自分や他人に悪影響のある行動を行ってしまうと、その時の感情が失せても同じ様な原理に基づいた言動を無意識に取ってしまうのです。
怒りで我を忘れそうになっている時などにふとこの話を思い出して、悪い習慣が付かない様に気をつけてください。
この「不合理だからうまくいく」はとても面白く、興味深く、参考になる一冊でした。
やっぱりこのダン・アリエリーという作者が書く本は良いなと再認識しましたし、皆さんにも是非読んでみて欲しいです。